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Suite For Piano
「ピアノ組曲」
ブルース・スターク
ソロピアノ、約22分
Belle-Kane Publications
¥2499(税込)
1. ファンファーレ
2. フーガ
3. インタリュード
4. ワルツ
5. コラール
6. フィナーレ

Suite For PIano was recorded by British pianist Seann Alderking on his 2006 release entitled Vivid; the CD is available on-line through Red Kite Records.
Vivid

解説
Suite For Piano(ピアノ組曲)は1楽章と6楽章には多くのソナタ的な要素が含まれている事や、全ての楽章に同じテーマやモチーフが使われている事を考えると、本来ならSonataと題してもおかしくない作品です。また曲のスケールはソナタの様に大きく、テクニック面でも高度な要求がなされています。しかしバロックのルーツである第2楽章のフーガと第5楽章のコラール、そして6つの楽章で構成されている事から私はsuite(組曲)と題しました。

この曲はエネルギッシュで華やかな「ファンファーレ」で始まります。また、この楽章には組曲全体を通して使われるモチーフが、いくつも存在しています。続いて「フーガ」となります。ジャズ的なシンコペーションを用いたテーマには、対位法的な手法が施されており、また途中では、BACHのモチーフ(♭シ、ラ、ド、シ)が出現しますが、このモチーフはフーガやその後の楽章にも作用しています。4声の提示部の後の音楽は拡大、反転、ストレッタ等いくつかの対位法とピアニスティックな要素が混在しはじめ、曲の緊張感がピークに達した時、テーマの初めの4つの音は、密集音であるクラスターとなります。ファンファーレとフーガの最初の4つの音は両方共、この組曲全体の重要なモチーフとなっています。

「インタリュード」はエネルギッシュで緊張感のある初めの2つの楽章とは一転して、祈りのような瞑想的な楽章と言えるでしょう。ファンファーレとフーガが、シンコペーションや拍子感を要求し時を刻んでいるのに対し、インタリュードは時が止まっている様な空間を表現しています。

次は「ワルツ」です。この楽章のテーマはファンファーレのオープニングメロディーを用いてます。とても軽快であちこちで発展してみたり、小節線が消えてしまったように聞こえてみたりと、とにかく気まぐれで派手な曲です。しかしワルツという概念からは外れてはいません。

「コラール」はこの組曲全体の流れに平静と落ち着きをもたせ、次にあるアグレッシブなフィナーレに入る前に一呼吸させてくれます。また讃美歌のように歌らしく、この曲の心であり魂でもある楽章です。中間部では静かで対位法的なパッセージが瞑想的に高音域まで登りつめ、そしてこのパッセージの終わりにはバッハの魂が通り抜けて行ったかのよう かすかにバッハのモチーフ(♭シ、ラ、ド、シ)が現れます。

終楽章である「フィナーレ」ではこれまでの全ての楽章が凝縮されています。非常に技巧的でシンコペーションも激しく、最後の盛り上がりにはふさわしい楽章でしょう。この楽章には主に2つのテーマがあります。まず、ブルーズィーで攻撃的な第一のテーマはフーガのテーマの一部を用いています。そして子供の様に無邪気に踊っている様な第二のテーマは、ファンファーレのオープニングのテーマと関連しています。

「Suite For Piano」は2003年に、ピアニストのSeann Alderking氏へ彼の音楽家としての並外れた才能と、その彼と長年に渡って親友である事に対し感謝の意を込めて作曲しました。この曲は2003年、ピアニスト渚 智佳によって東京で初演されています。

ーブルース・スターク